FXで安全にスワップを獲得するには異業者間取引が有効なのか

FXでスワップ狙いのトレードを行う場合、以下のような方法があります。

1. スワップポイントの高い通貨ペアを買いで保持し続ける。
2. 上記1に加えて、為替変動を抑えるため相関が逆となる通貨ペアを売りで保有する
3. 異業者間取引によるサヤ取りを行う

ドルコスト平均法などを用いた方法では、将来的にショック相場・政情不安などのリスクで獲得スワップを上回る為替変動により損をしてしまう可能性も否定できません。

そこで為替変動の影響を受けないために考案されたのが異業者間取引によるサヤ取りです。

異業者間取引とは

異業者間取引とはその名の通り異なる業者同士での取引を行う事です。

原理は単純で、別々の業者同士でも同じ通貨ペアならば同じ動きをします。

同じ通貨ペアを業者Aで買い、業者Bで売ればAB合わせて為替変動による損益はほぼゼロです。

例えば1ドル100円の時に1万ドルを業者Aで買い・業者Bで売りを行えば、101円になった時には業者Aでは＋1万円、業者Bでは－1万円となり差し引き0です。

ただし業者によって多少の価格の違いはあるので完全に0にはなりません。

これを利用してスワップポイントの高い業者Aで通貨を買い、スワップポイントの低い業者Bで通貨を売れば、スワップポイントの差額が儲けになるということです。

業者はどこでもいいわけではない

サヤ取りで利用する業者はどれでも良いというわけではありません。

為替変動による損益がゼロということは、スプレッドによるマイナス分はそのまま残ります。これはスワップ獲得によって埋めなければなりません。

すなわち、スプレッドが小さくスワップの差額が大きければ、マイナスを埋める期間がそれだけ早くなります。

FX会社を選ぶ基準としては、スプレッドが小さい事、スワップの差が大きくなる組み合わせとなることです。

逆ザヤについて

なぜ、スプレッドによるマイナス分を早く埋める必要があるのか。それは、各業者のスワップポイントは日々変動しているからです。

今まで業者A＞業者Bだったスワップポイントも、ある日突然業者A＜業者Bになるかもしれません。

メンテナンスの必要性

為替変動による損益が業者AとB合わせて±ゼロでも、片方の業者はマイナスになっているので証拠金維持率に気を配る必要があります。

ロスカットにならないよう、逐次資金を補充する必要があるため、いつでも資金を移動できるよう常備しておくのが良いでしょう。

また、ショック相場などのように相場が急変した場合に備えて、指値・逆指値を設定しておく必要もあるでしょう。

異業者間取引の例

安定していて最も馴染みのあるドル円を例にサヤ取りをシミュレートしてみましょう。

ドル円（1万通貨）のスワップポイントとスプレッドが一番有利な業者の組み合わせを選定すると

それぞれ1万通貨ずつ取引を行い、レバレッジは5倍と設定した場合、
112円×10,000通貨÷5倍＝224,000円

224,000円×2口座＝448,000円で取引を行った場合で計算していきます。

GMOクリック証券

スワップ … 63円×30日＝1,890円

スプレッド … -0.3銭×1万通貨＝-30円

DMMFX

スワップ … -24円×30日＝-720円

スプレッド … -0.3銭×1万通貨＝-30円

合計：1,110円

ドル円はスプレッドが狭いため、1ヶ月でマイナス分を回収できます。

高金利通貨はスプレッドが広いため、マイナス分を回収する期間が長くなるので注意が必要です。

1年で元本に対して13,980円増えています。

13,980円／448,000円×100＝3.12％

あとは、自分がどの程度の頻度でメンテナンスを行えるのか、余裕資金の多さなどによってレバレッジを変えて取引を行えるのでこれ以上の利益をあげることが可能です。

メンテナンスをしっかり行い、証拠金維持率に気をつけていれば、銀行に預けるのが馬鹿らしくなるような利益が得られます。

とは言え、スイスショックなどのように相場が急変することもあるのでレバレッジを上げすぎない、しっかりメンテナンスを行う、緊急用にすぐ動かせる資金をストックしておく、指値・逆指値を設定するなど安全策を講じて置きましょう。

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